乳酸発酵エキスについて

　皆さんに質問です。

　健康志向の高まった近年、腸内環境の改善のため乳酸菌食品の売上げが着実に伸びているようです。ヨーグルトやサプリメントに含まれている「生きた乳酸菌」が 皆さんの大腸の中にとどまったり増えたりして善玉菌をふやして健康になると期待されていませんか？ また生きた乳酸菌が腸まで届くなどいうキャッチコピーもありますので、私たちはついついそれらの乳酸菌が体の中で増え続けてくれるありがたい菌だと考えてしまうようです。

　ところが私たちのおなかの中の腸内細菌の世界は大変排他的なもので、たとえそれが体に良いものであっても「よそからやってきた菌」であれば腸内にとどまって棲み着くことはできずに、もともと腸内に住んでいる先住菌達によって追い出されてしまうのです。 私たちが良かろうと思って取り込んだ乳酸菌やビフィズス菌などは、定着して増殖するどころか数日で排出されてしまうのです。これらは「通過菌」と呼ばれます。 つまりせっかく生きて腸内にたどり着いたありがたい菌たちも所詮数日の活躍しかできないのです。

　でもヨーグルトを食べるとお通じが改善されたなどの良い結果を実感される方は少なくありません。

どうしてでしょうか。

乳酸菌食品やサプリメントの中には菌だけで無く、乳酸菌が増殖（発酵）するときに作り出した様々な有用成分が含まれているからです。必須アミノ酸、ビタミンB群、葉酸、トリプトファン、短鎖脂肪酸、オメガ３など皆さんがどこかで聞いたことのある７５２種類以上の お宝 物質が含まれているのです。これらの物質を乳酸菌発酵エキスと呼びます。

　また仮に乳酸菌が生きた状態で腸内に届かないとしても、乳酸菌そのものの体内には発酵エキスに匹敵する成分が存在することは想像いただけると思います。それらの成分は発酵エキスと同じように、乳酸菌を追い出してしまう既存の腸内細菌の活性を高める成分でもあるのです。

そうです、乳酸菌は死んでいてもそれなりの結果をもたらしてくれるのです。

最初から生きていない乳酸菌は　乳酸死菌　というくくりで商品化され様々な食品に添加されています。

この青汁には100億個の乳酸菌が入っていますといううたい文句。あれです

　生きていてもいなくても乳酸菌は私たちの健康に貢献してくれます。

また乳酸菌が増殖する時に作り出す様々な成分も菌体の働き以上に素晴らしい効果を示します。

これらを上手に使いこなしたいですね。