貴女の好きな乳酸菌は植物性？それとも動物性？

　昨今店頭に並んでいる発酵食品に　植物性乳酸菌　という乳酸菌の種類表示がされているものがあります。

おそらくその食品を乳酸発酵させた乳酸菌の素性を表したものだと思います。牛乳を発酵させるのは動物性乳酸菌、豆乳を発酵させるのは植物性乳酸菌、おそらくそんな単純な区別で、いかにも植物性の方が健康的という売り込みをしたいのだと思います。
何を隠そう私もすっかりそれを真に受けていました。
豆乳でヨーグルトを作るには植物性乳酸菌をうたったヨーグルトを種菌にしなければならないと信じ込んでいたのです。

　食品学の専門家に言わせると、実は乳酸菌には植物性も動物性も無いのだそうです。
キムチの中の乳酸菌を使っても牛乳からヨーグルトを作ることは可能なのです。
私たち日本人の食卓には様々な乳酸菌食品があります。

代表的なものは漬物類ですが、それらを種菌にヨーグルトを作ることも可能です。
なぜなら植物性乳酸菌や動物性乳酸菌などという分類はなく、実は同じものだからです。

　私たちの最近の健康志向の中で、植物や野菜の仲間はなんだかとってもイメージが良い、ところが動物性となると人によっては罪悪感さえ感じることもあり、乳酸菌で作られた食品のイメージアップのためには、なんとなく植物性を前面に出した方が支持を得やすいようにも感じられます。

所詮はコマーシャリズムの世界の問題です。
 

　植物を餌にしなければならない乳酸菌などいないし、その逆もまたしかり。
乳酸菌達も餌の選り好みをしていられるほど悠長な生活はしていられないのです。食えるものなら植物性でも動物性でもとりあえずは食べて（発酵させて）しまう。そのように乳酸菌は生活力の旺盛な菌なのです。