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脱窒用素材と使い方

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脱窒用素材と使い方

脱窒用素材と使い方

2024/12/15

脱窒用素材と使い方
 

 樹脂を底砂に埋めれば、樹脂の成分が微生物の出す分解酵素によって分解され、水溶物となって微生物に利用されること、水溶物は樹脂の周辺から水槽内に拡散することなどがおぼろげながらわかってきました。

そこで、市販の脱窒用素材がどのようなもので、どのような使われ方をしているのかを知っておくのも参考になると思いますので、最新の情報を拾ってみました。

 

 

 ご存じ「デニボール」のその後

 

 デニボールはバイオポールを使った脱窒用の商品でしたが、ヒダヒダのある独特の形状がどうやら味噌であったようで、樹脂からの有機物の供給とヒダヒダの間にできる脱窒生物のコロニーとの組み合わせによって脱窒のメカニズムが構築されるものでした。

後半デニボックスなる脱窒専用の容器が販売されましたが、容器への注水量がそれまでの脱窒の概念よりもかなり多いにもかかわらず、効果が認められたことを記憶しています。

どういう事情があったのかは知りませんが、現在は市場にデニボールという商品は存在しません。

 

 デニボールを最初に売り出した(有)野辺商会は、脱窒用の素材の分野では老舗的存在ですが、最近はデニボールの販売を中止し、バクトパワーやデニパックなる商品を販売しています。

外見から見る限りは生分解樹脂(バイオポールかどうかは定かでありません)を特殊な形状に加工したもののように見受けられます。

バクトパワーは底砂に埋めて使います。

デニパックは同じような樹脂素材が不織布の袋に入っています。

こちらは「埋めなくても使えます」とうたわれています。

写真7 バクトパワー        写真8 デニパック

 

 野辺商会の説明書やホームページには脱窒を行うのは「嫌気性の土壌菌」との記載がありますが、同社で販売している脱窒菌「デニバクト」の解説には偏性嫌気性細菌群とあります。

この「偏性」の部分はずいぶん前から変わりませんので、実際にその通りなのか、あるいは重大な錯誤があるのか良くわかりません。 

デニバクトが通性嫌気性の従属栄養細菌とは違うものだとすれば、バクトパワーやデニパックは偏性嫌気性細菌群に特化した商品なのかもしれません。

そうであるならば、バクトパワーを埋め込む深さは深ければ深いほど良いことになると考えられます。

 

 

ナイトレイトマイナス

 

 業界では著名なテトラ社が販売しているリキッドタイプの脱窒素材です。

以前は生分解樹脂と思われる顆粒状のものでしたが、その形状のものは姿を消して現在は液体状のものだけになってしまいました。中身はやや白濁した液体の中に白い微粉末が混じっています。

水溶性の有機物を容器内で長期に保存することは難しいと思いますので、単純に樹脂の微粒子だけなのかもしれません。

使用前によく振ってくださいとあるのはそれを裏付けます。

リキッドにした理由は添加量の計量が簡単になるなどのメリットがあるのでしょう。

水槽内に滴下しますと、微粉末が広がりながら水底に落ちて行くのが視認できます。

ラベルの説明には「脱窒細菌を繁殖させる微粒子からなる液体」と書いてあります。

 

 溶液と見まごうほどの微細な固形物なのだと思いますが、その微粒子は水槽内の各所に分散し、水槽内にもともと住み着いている従属栄養を行う様々な微生物によって分解され、彼らの餌になるのでしょう。

当然のことながら脱窒に関与する微生物にも取り込まれ、彼らの増殖を促すとともに、程良い嫌気環境を作りだし、脱窒のエネルギー源ともなるのだと思います。

 

 成分を固形物としたのは、水中での分解時間を見込んでのものと考えられます。

なぜならば水溶物であれば、水中の様々な微生物が添加と同時に一気に増殖を始め、収拾のつかない事態が起きることが懸念されるからです。

水槽に砂糖やアルコールなどを入れるとそれに近い現象が起きます。

いったん水溶物に分解されなければ微生物が利用できない「微細な固形物」としたところにテトラ社のノウハウがあるように思います。

 

 水溶性の有機物の添加は、量を誤れば飼育水の白濁や酸欠をもたらすなど、水生生物を飼育する「水槽」という特殊な環境ではあまりにもリスキーな手段でありましたが、それを微細な固形物にしたことでよりコントローラブルにしたナイトレイトマイナスは、私たちが壁にぶつかっていた脱窒方法に一石を投じたように思われてなりません。

 

 

ナイトレイトマイナスのメカニズムは次のようなものだと想像します。

 

 ナイトレイトマイナスを餌として摂取するのは、水槽内で従属栄養様式をとるすべての微生物である(バクテリアとは限らない)。
ナイトレイトマイナスの主成分がすべて固形物であるとすれば、それらは水底部に沈降し、底砂表面や内奥部に生息する微生物により分解を受けることになる。

浮遊性の微生物は直接に利用はできないが、水底部で分解された水溶物が飼育水に拡散されればその限りではない。

ただし、浮遊している微生物は硝酸呼吸に移行する溶存酸素の条件がないので、脱窒には寄与しない。

その分は全くのロスとなるが、水底周辺にコロニーを作っているものであれば溶存酸素を減らす役割の一端を担うことにはなる。

 

 固形物とはいえ添加量が過剰であれば、微生物の急激な増殖を招き、水槽環境の急変が懸念される。

飼育水量に対する添加量と添加間隔が明示されているのは、そのような事態を防ぐためと考えられる。
添加間隔は1週間と明示されている。

それは成分の固形物が水溶物に分解され、消費し尽くされるのに要する時間と考えられる。
脱窒に寄与する微生物の増殖を促すという発想であるが、説明書には脱窒の一方の条件である嫌気環境へのこだわりが触れられていない。

それはすなわち水槽環境の中にはその程度の酸素勾配はいくらでもあるということなのか、ナイトレイトマイナスを投入すればいくらでも作れるということなのであろう。


図4 底砂の間隙に到達する樹脂の粒径


 主成分の微粒子が底砂の間隙に沈降し消費される過程では周辺の溶存酸素濃度も必然的に低下することが予想される。

固形物の大きさを微粒子とした意図は小さければ小さいほど深く狭い間隙に沈降し、結果として溶存酸素の低下を実現しやすいのであろう。

 

 従来の脱窒手法では「やや嫌気な酸素条件下」の「通性嫌気性の従属栄養細菌」に「水溶物となった有機物」を与えることで「硝酸呼吸を促す」のが脱窒であるとされていたのですが、テトラ社の発想は、そのような条件設定にこだわる必要はなく、飼育水に一定の濃度で「水溶物となりうる微粒子(固形物)の有機物」を添加すれば、あとはそれを利用する微生物の側で何とか帳尻を合わせて脱窒にまで持ち込んでくれるというもののようです。

 すなわち水槽そのものが巨大な脱窒エリアとして機能する可能性を示唆していることになります。

目から鱗が落ちるようではありませんか。話はずいぶん簡単になってしまいました。

テトラ社の発想は微粒子の生分解樹脂を水槽内の任意の場所で分解させ、その周辺に脱窒エリアを出現させようというものです。

もっとラフに考えるなら、生分解樹脂のペレットを水底にばらまくだけでも何とかなってしまうのかもしれません。

 

 ナイトレイトマイナスは水槽という特殊な環境下では常に不足気味であった脱窒菌の餌となる有機物を、脱窒の起こりやすい水底の間隙に到達できる微粒子という形状にして、定期的に投入するという商品のようです。

この手法は従来の脱窒手法を根底から覆す大変ユニークな発想といわざるを得ません。

 

 

活性底面ボックス                  写真10 活性底面ボックス

 

 の装置は大阪府の藤井寺市にある海水館というショップが提唱・販売している脱窒のための装置です。

外周に穴を開けた小さなボックスの内壁をウレタンフォーム(スポンジ)で囲い、その中に生分解樹脂が充填されたものです。

またその発展型としてサンゴ砂と樹脂を一定の割合で充填したカルシウムリアクタータイプのものも考案されています。

 

 内部には生分解樹脂のペレットとおぼしきものが約150gほど充填されています。ペレットの色合いはバイオポールよりも黄色みの強いものです。

詰め替え用の生分解樹脂には同店のオリジナルのものやテトラのナイトレイトマイナスの旧タイプ(顆粒状のもの、すでに販売終了)が推奨されています。

 

 装置内の生分解樹脂が微生物により分解される過程で必然的に消費される溶存酸素量の低下とあいまって脱窒が行われるというもののようです。

装置の外周がウレタンフォームで囲われているのは、装置内の溶存酸素濃度を絶対的な嫌気環境にしないことと、微生物によって分解を受けた樹脂の水溶物を装置の外部に拡散させるという2つの要件を可能にしているのでしょう。

脱窒が装置内でのみ行われているのかどうかは定かではありませんが、水槽内の他のエリアで行われるかもしれない分も含め、明らかに脱窒が起きるという効果は多くの販売実績から実証されているようです。

価格も手ごろなところ(2200円)に抑えられており、良心的な販売姿勢が感じられます。

また脱窒が併せ持つ危険性についても注意が喚起されていますので、信頼性の高い商品のように思えます。

 


この商品のメカニズムは次のようなものと思われます。

 

 生分解樹脂を適当な容器に入れて飼育水に漬け込むことで、従属栄養を行う微生物の働きによって樹脂を分解する。
樹脂の成分は装置内に住み着いた微生物の餌となり、その増殖に伴って樹脂周辺の溶存酸素が消費され、硝酸呼吸(脱窒)が促される酸素濃度の勾配がもたらされる。
ウレタンフォームは微生物の生息基盤としても有意なもので、やがて表面や内部には微生物のコロニーが形成されるものと思われる。

ただしコロニーが肥厚すれば、ウレタンフォームの通水性が失われ、最悪の場合は装置の内部が完全な嫌気状態となり、硫酸還元の場になってしまう可能性もある。

そのような状況下では飼育水に触れる機会の多いフォームの表面やその内部にのみ程良い「やや嫌気」な酸素濃度がもたらされ、脱窒はもっぱら装置の外周部で行われることになると思われる。

 

 微生物の分解作用により生産された水溶性の樹脂成分はウレタンフォームを経て装置外に拡散する可能性がある。

水槽内に供給された樹脂成分は大部分が好気性の従属栄養細菌によって消費されるのであろうが、溶存酸素濃度の希薄なエリアに到着したものが脱窒に寄与する可能性もある。

 

 この装置には注排水機能がありません。

すなわち装置の内外への飼育水の移動は成分濃度の違いによる「拡散」にのみ委ねられているようです。

樹脂成分の外部への拡散も可能性としてはあるわけで、ナイトレイトマイナスに共通する水槽内の他所での脱窒にも関与しているかもしれませんが、それを知る術がありません。

 

 

脱窒商品群から読み取れる脱窒への考え方

 

 今回とりあげた3種類の脱窒商品のメカニズムについて考察を加えましたが、それらの商品に共通する脱窒への考え方を整理してみましょう。

 

①脱窒に必要な炭素源(有機物)としては3種とも生分解樹脂を用いている。

 

②生分解樹脂は水槽内の微生物が放出する分解酵素によって分解される。

脱窒に関与するのは水槽内にもともと生息している通性嫌気性微生物であると考えたい。野辺商会のデニバクトは偏性嫌気性細菌と自称しているが、あくまでも補完的な位置付けでそれが脱窒の絶対的な条件とはされていない。

 

③脱窒に必要な嫌気環境の構築は微生物の呼吸による溶存酸素の消費に委ね、人為的な酸素濃度への働きかけをしていない。

従来の脱窒装置に見られるような特殊な閉鎖空間や注水量の制御などという条件設定は求められていない。

テトラ社に至っては装置そのものを必要とせず、水槽内に生分解樹脂の微粒子を散布することで、水槽内の様々な空間において必然的に脱窒が喚起されると考えているようである。

 

 

脱窒装置の在り方

 今回いくつかの脱窒素材の考え方に触れるにつれ、脱窒の分野に吹き始めた新しい風を感じることとなりました。

一つは溶存酸素濃度への考え方です。

従来はその一事のために随分と凝った、あるいは精密な空間を構築しようとすることがありましたが、どうやらそれは無用のことであったようです。

人為的に構築しようとしていた溶存酸素環境などというものは、微生物の呼吸や増殖量によって自然とできあがってしまうもので、もっとラフに考えるべきことのようです。

ナイトレイトマイナスの発想は「水底そのものを脱窒エリアにすることができる」というものであると思われます。

それが真実とするならば、脱窒のための装置やエリアは、その内部における脱窒のみにとらわれるべきではなく、それらの空間から水溶物となった有機物が外部(水槽内)に供給されるような構造にすることで、水底という巨大な脱窒エリアをも獲得することができるかもしれません。

これらの前提に則って次に脱窒装置の構想を練ってみましょう。

 

 

脱窒装置の構想

 

1.有機物の供給素材

 

 現在までのところ、生分解樹脂が最も安全で取り扱いの楽なものに思えます。

なぜならもともとが固形物で、微生物からの分解作用を受けた量だけを水溶物として供給することができるからです。

中でもバイオポールは微生物由来の樹脂で、その分解酵素を持つ生物相の豊富なことから生分解性をうたっている樹脂の中でも被分解性の点で右に出るものはないと思われます。

 

①バイオポールペレット


 バイオポールの原料です。直径、長さとも3mmほどのペレット形状をしています。水に沈みますので、水中での扱いに問題はないと思われます。

予備実験では単独で水中に没してもなかなか分解が始まらないことが明らかになりました。

ガラスリング状濾材や貝化石などに隣接させると極めて効率の良い「こなれ方」をします。

一方、樹脂板に比べて表面積が大きいため、分解が始まればその効率は良いと思われます。

工夫をすれば、水槽内にばらまいてしまうようなラフな使い方が可能かもしれません。

 

②バイオポール樹脂板


 バイオポールを板状に加工したものです。厚さは50ミクロン、下敷きのようなものです。カッターやハサミで簡単に切れますので、任意の形状に加工できます。

ペレットに比べると相対的に表面積が少ないことになります。これは分解スピードをコントロールして水質の急変を防ぐという意味では有利な一面と考えられます。

亜硝酸によるダメージを懸念される場合は急激な分解を受けにくい樹脂板の方が安心でしょう。

底砂に埋め込むような使い方では誠に勝手がよいものです。

誠に申し訳ございません。皆様のご支持が高かったせいか好評のうちに完売となってしまいました。

 

③その他の生分解樹脂

 

 基本的にはバイオポールと同様な使い方が可能かもしれません。以前トウモロコシから作られた樹脂を試したことがありますが、被分解性ではバイオポールに及びませんでした。

日進月歩の世の中ですから、やがてバイオポールを凌駕する素材があらわれると思います。

 

 

2.樹脂に隣接させる素材

 

 生分解樹脂を速やかに分解させるには、どうやら微生物の生息基盤に隣接していた方が効率が良いようです。

樹脂の表面はそれを分解する微生物にとっても定着しにくい一面を持っているのかもしれません。

生息基盤としては貝化石粉末のように素材の粒径が小さい方が嫌気環境が作りやすく、脱窒や硫酸還元の効率が良いようです。

逆に微生物の働きによって水溶物となった樹脂成分を外部に供給することを優先するのであれば、通水性などが考慮された人工濾材の方が効果的と思われます。

また海水館ではサンゴ砂をともに充填することで、カルシウムリアクターとしての展開もされているようですので、樹脂のみならず隣接素材自身からの溶出成分、特に樹脂の分解に際して発生する炭酸ガスによって溶け出す無機成分にも意を払う必要があるでしょう。

カルシウムリアクターとしての機能を強化するのであれば、サンゴ砂をアラゴナイトや貝化石に替えるのも一考でしょう。逆に硬度物質を排除しなければならない水草水槽のような水槽では、溶出成分の少ないセラミックやガラスの濾材を用いるべきでしょう。

 

①サンゴ砂
 一般的な海水魚や無脊椎動物を飼育する水槽では最も使い勝手の良いものとなるでしょう。

価格も手ごろで、様々な粒径がそろっていることから工夫をしやすい素材と考えられます。

 

②アラゴナイト
 市販されているものは個人的にはべらぼうな価格だと思いますが、使用量はわずかなものですから5kgも買えば一生使える量になるでしょう。

サンゴ砂よりも高いpHで溶けると商品説明にありますので、カルシウムリアクター的な使い方をされるのであれば、非常に効率の良いものになるかもしれません。

 

③貝化石
 ホームセンターや園芸店で土壌改良材として粉末のものが売られています。

このルートですと、価格も安く気軽に使えると思います。

効果はアラゴナイトを上回りますが、粒径の細かいものが主流となっていますので、硫酸還元を起こしやすい一面があります。

 

④水草用の底砂
 何も溶け出さないというのが水草用の底砂のうたい文句ですから、素材からの溶出物を嫌う場合には選択肢に入ってきます。

園芸用の鹿沼土や赤玉土なども安価で使いやすいかもしれません。

土壌類を使う場合には、やがてくずれて細かい粒径になってしまうことを知っておいてください。

 

⑤市販の濾材
 何も溶け出さないことを特徴としているものもあれば、溶出物によって意図的にpHをコントロールすることで差別化をしているものもあります。

セラミックやガラスなどを主原料とするものが多いようですが、そもそも濾過細菌の定着能を前提にしているものですから、脱窒に関与する微生物にとっても相性は良いはずです。

また濾材の形状によっては連続孔の豊富なものなどもあり、溶存酸素の面では脱窒条件が作りやすいと思われます。

いわゆる目詰まりを回避する意味で、水の通りの良い形状となっているものも多く、樹脂の水溶物を水槽内に供給する用途には使い勝手がよいのではないでしょうか。

 

 

3.どのような形状にすればよいのか

 再三述べてきましたが、これからの脱窒装置は装置の内部で脱窒を行う「還元空間」としての機能と、水槽内に生分解樹脂の溶解成分を供給する「分解・溶出空間」の二つの機能を併せ持つべきだと考えます。

 

その意味で、

空間の内外が閉塞しない形状や素材でできているもの
樹脂の溶出物を空間外に排出する機能を持ったもの
のいずれか、もしくはその折衷型になると思われます。

 

 サンプや水槽内に置く(漬け込む)タイプのものは装置内外の飼育水の移動が容易なものが望ましいでしょう。

ただし通水量が多すぎると、内部の酸素濃度が下げられず、好気性の微生物ばかりが繁殖する空間になってしまうかもしれません。

当然装置内での脱窒の効率は悪くなりますが、装置の外部に樹脂の溶出物を供給するという意図に徹するのであれば、それもまた一つの選択肢になるのかもしれません。

 

 構造的にはハードな容器である必要はなく、ウレタンフォームや不織布の袋に包んだようなものでも最低限の機能は発揮されると思います。

設置場所はサンプ内などが人の目につかず、かつ亜硝酸をコントロールする意味でも安全な場所と思われます。

 

 近年ナチュラルシステムの普及とともに、せっかくのサンプに濾材が入っていない水槽が増えてきましたが、脱窒システムを組み込むのであれば、脱窒エリア兼硝化エリアとして、サンプには濾材を入れた方が理にかなうと思います。テトラ社の発想のように水槽全体が巨大な脱窒エリアになると考えるならば、サンプも水槽の延長ととらえ、床面積を増やす意味で活用することは決してマイナスにはならないと思いますが、いかがでしょうか。

 

 

4.おまけの情報

 

 弊社が販売している二価鉄の水溶液「二価の鉄」を規定量添加すると脱窒の効率が高まることが確認されています。一般的な水槽内の飼育水には鉄イオンが欠乏していることが大部分です。

その結果硝化菌も脱窒菌も鉄不足にあえいでいることが想像されます。

また脱窒に際してバクテリアが用いる硝酸還元酵素や亜硝酸還元酵素の構成要素には鉄が必須の成分として用いられています。

鉄が不足しているとそれらの酵素が十分に作れないため脱窒の効率そのもののが落ちてしまうことがあるようです。

これから脱窒に手を染めてみようとお考えの方はもちろん、既に脱窒にチャレンジされている方も二価鉄イオンの効果の程をお試し下さい。

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