フコイダンの効用
2024/12/22
フコイダンの効用
人間の世界にも様々な病気があり、その原因がわからないものもいまだに多く残されています。
魚介類の病気についてはその市場規模が小さいため、製薬会社が治療薬の開発に本腰を入れることはまずありません。
現状では人間用や動物用のものを濃度を薄めて転用しているケースが大部分です。
そのような現実を前にして、私たちは大切な飼育生物の健康を維持し、病気の脅威から守るにはどうしたらよいのでしょうか。
1 病気を引き起こす病原菌やウイルスなどを絡め取る。
ウイルスの引き起こす疾患については、インフルエンザやコロナ対策でご存じのように個々のウイルスごとに有効なワクチンを用いるというのが正規の対処方法とされています。
しかし実際に流行の兆しが見えて初めてそのウイルスの特定ができるという予測の難しさもあり、それを誤るとワクチンの供給が間に合わないような事態も招きます。
私たちの水槽にも皆さんの想像を遙かに上回る様々なウイルスが同居しています。
ときたま飼育生物のちょっとしたコンディション低下をきっかけに、その生命を脅かす重大な異変を引き起こすことがあります。
皆さんは飼育生物が示す症状によってその原因が何であるか分かりますか? 分かりませんよね。
中でもウイルスがその引き金となっている場合には、悲しいことに予防方法も治療方法も全く提供されていないのが実情なのです。
フコイダンのネバネバ成分には、種類の違いを問わずどのようなウイルスもまさに十把一絡げに絡め取り、不活化する(活性を奪う)という特性があります。
アナログな方法論ではありますが、きわめて安全で間口の広い予防効果が期待できます。
いずれにせよフコイダンを投入することにより、ウイルスの種類が何であれ、ウイルス起源の病気がかなり予防できることになります。
特に海水魚水槽では底砂メンテナンスの後に規定量の2~3倍を投入していただくと、水換えが引き金となって発生しやすい様々な病気をかなりの確率で抑制することができます。
海水魚を飼育されている方のおそらく全てが体験される病気に白点病があります(淡水魚の白点病と症状はほぼ同じですが原因生物は異なります)。
その治療法としては銅イオンを投入するなど「毒をもって制する」方法がいまだに用いられていますが、銅イオンは底砂や濾材などに沈着して長期間その毒性を維持しますので、有用な微生物や無脊椎動物などにもダメージを与えます。
白点病を引き起こす白点虫のシスト(仔虫)は底砂の中に潜み、常に寄生の機会をうかがっています。海水魚飼育で底砂掃除はタブーとされてきたのは、底砂の攪拌によってシストが巻き上げられ、魚類への遭遇性が高まるからです。
私どもも予想していなかったことなのですが、驚くことにフコイダンの絡め取りのメカニズムは、結果としてウイルスよりもはるかに巨大な白点虫の寄生をも防ぐ効果を示すことがあるようなのです。
自然界も含めて白点病は弱った個体に発生するものです。
なにかが原因で体力を落とし、本来なら寄生をはねかえす体表粘液が弱まっている魚体がターゲットになるのだと思われます。
仮に様々なウイルスが引き起こす微細な傷の積み重ねが、魚体の防御機能を損ねているとすれば、フコイダンの投入はウイルスが原因となるダメージを皆無にし、本来の体表粘液が維持されて白点虫の寄生を免れるのではないかと想像しています。
海水魚の愛好家からは、これで安心して底掃除ができると、ご好評をいただいています。
2 飼育生物が元々持っている免疫機能や自己治癒能力を高める。