フコイダンが白点病の発症を抑制するメカニズム
2024/12/23
フコイダンが白点病の発症を抑制するメカニズム
フコイダンが白点病に有効であることは、多くの皆様が体感されています。
そのことに異論を唱える方は少ないと思います。
でも私にはどうしても納得できない点が一つだけあるのです。
それはウイルス(ナノメートルサイズ)と白点虫の遊走子(ミリメートルサイズ)の大きさの違いです。
ウイルスの大きさは数十~数百ナノメートル(nm)と言われています。
ナノメートルは1ミリの100万分の一です。
それに対して白点虫の生活史の中で最も小さいステージである遊走子は0.03~0.05ミリメートル、つまり30,000~50,000ナノメートルということになります。
この遊走子が魚の体表に取り付いて表皮内に潜り込むことで白点病は発症します。
単純に比較すると、細菌はウイルスの数倍、遊走子は100倍以上の大きさになります。
フコイダンのネバネバがウイルスを絡め取って動けなく(不活化)することでウイルス起源の疾病を抑制することは十分イメージできます。
もしかしたら数倍程度の細菌レベルまでも絡め取る可能性までは、なくはないなとうなずくことができます。
しかしウイルスの100倍以上の大きさである遊走子となると、ウーンどうかなと唸ってしまうのです。
しかしフコイダンを定期投入していると、多くの場合白点病は出なくなります。
それは多くの皆さんが経験されているまぎれもない事実です。
弊社に寄せられるフコイダンユーザーの皆様からの最も多い質問は
どうして白点病が抑えられるのか
というものです。
その因果関係を私なりに必死に考えてみました。
これはあくまでも私の仮説であって、他の人も含めてその因果関係を誰も立証はしていません。
ですから勝手な妄想で間違っているかも知れませんので、眉に唾を付けて読んでくださいね。
白点虫はどのような魚に取り付くのか?
健康な魚は体表が分厚い粘液によって覆われていることは皆さんも良くご存じのことと思います。
魚は あのヌルヌルが嫌なのよね とおっしゃる女性陣は少なくありません。
実はそのヌルヌルは病原菌や寄生虫が体表から侵入するのを防ぐための強力なバリアーと呼べるものなのです。
ヌルヌルのおかげで魚は健康を維持しているのです。
白点病は淡水のものも海水のものも、白点虫と呼ばれる寄生虫が魚体に潜り込むことで発症します。
淡水と海水では白点虫の種類は違うのですが、その生活史は概ね共通しています。
白点虫の生活史の中で最も小さくて数の多い 遊走子(セロントと呼ばれます) が魚体に取り付くことがことの始まりです。
ところがしっかりとしたヌルヌルのバリアーで覆われた魚体には遊走子は取り付くことができません。
水槽内の飼育水には白点虫の遊走子がウヨウヨいて、魚体の体表粘液のほころびを鵜の目鷹の目で捜しています。
熾烈な生存競争と偶然との遭遇の中で白点虫も次の世代を作ろうと必死に頑張っているのです。
体表粘液を分厚く維持できている通常の健康状態にあれば、魚体が白点虫に取り付かれることはありません。
でないと、海の中はみな白点病の魚だらけになってしまいます。
白点病は 何かの事情 で体表粘液に白点虫が潜り込めるほころびが生じた魚体に発症するのではないかと考えます。
ここまでは合点していただけますね。
それでは体表粘液の劣化は何によって引き起こされるのでしょうか?
私たちが飼育している魚たちには、水質、水温、水槽の広さ、餌の鮮度、同居する他魚との軋轢等々色々ストレスが作用しているはずです。
魚が受けているストレスは、その積み重ねの多少によって体調や免疫機能の低下として現れます。
ストレスの多くは水槽管理者であるあなたの心がけによってコントロールできるものです。
魚を飼うのが上手な人と下手な人はこの部分に差があるのかも知れません。
あなたがちょっと手抜きをすれば、あるいは誤った管理をすれば、てきめんに白点病が姿を現します。
どうです、身に覚えはありませんか?
私たち人間の世界でインフルエンザが流行したとしても、全ての人が発病するわけではありませんよね。
人間には強力な免疫力があり、常に様々な病気の侵入を撃退しています。
たまたまその防御力が 何かの事情 により弱まっていた人たちがインフルエンザの攻撃に負けてしまうのです。
今回のコロナ禍でもお分かりのように、重篤な症状が現れる人と、感染だけで症状が出ない人がいます。
それはウイルスの攻撃を跳ね返す力、免疫力の違いによるのです。
免疫の働きは 生物の進化に伴って 強くなっていったと言われています。
ですから魚介類の免疫は人間のそれよりも明らかに未熟なのです。
魚を健康に飼うのは犬猫に比べて、もともと難しい条件下にあると考えておくべきでしょう。
風邪は万病の元 という言い回しがありますね。
本来の体力があれば跳ね返してしまう病気も、たまたま風邪気味であったが為に重篤になってしまうというケースを指します。
また二次感染とか三次感染という言葉をお聞きになったことはありませんか?
白点病は免疫の落ちた(体表粘液にほころびのある)魚体に現れる症状と考えます。
偶然に白点病になったわけではありません。
偶然になるのであれば、とてもこわくて海水魚など飼えたものではありません。
白点虫の遊走子が魚体に遭遇した時、たまたまそれを振り払うだけの体調(体表)不良に見舞われていた魚が白点病になるのです。
これが 何かの事情 ではないかと思います。
通常、白点が飼育魚全てに一斉に出ることはまずありません。
たまたま1匹もしくは数匹に現れたとしても、他の個体は何事もなかったように泳いでいます(のように見えます)。
ところが、白点病は少しずつ他の魚体に広がってしまうことが多いようです。それは、同じ水槽内で生活している以上、他の魚たちも発症魚と同様のストレスを感じており、発症魚に近い免疫の低下(体表粘液の劣化)状況にあるからです。
彼等に同じ症状が出るのも、実は時間の問題なのです。
人間も水槽内の魚たちも常に病原性を持ったウイルスや菌類と隣り合って生活をしていると考えておかなければなりません。
オゾンや紫外線で飼育水を処理するのは、それらのリスクをできるだけ減らしておきたいと考えるからです。飼育魚の多くが病原性微生物の攻撃に負けない(発症しない)のは、たまたまその個体の免疫機能が充実していたからに他なりません。
ある日それが突如として症状を現すかどうかは、あくまでも個々の魚の体調事情によります。
ウイルスや病原菌の攻撃が致命的なものでなかったとしても、それが頻繁に繰り返されればその都度それに対抗することによる体力消耗や免疫力の低下などが当然引き起こされるはずです。
つまり、健康な魚は本来白点虫の寄生に負けることはないのですが、その前段としてウイルスや病原菌の攻撃という軽度なストレスに繰り返しさらされると、体表バリアーも徐々に弱まり、白点虫の寄生を振り払うことができなくなってしまうと思うのです。
白点病は健康な魚体にいきなり発症することはありません。
軽微な他の病気が引き金や呼び水となり、次のステージ、つまり二次感染、三次感染として表面化するのだと考えます。
ここで問題視しなければならないことは、白点病の現れた水槽では、やがて他の同居魚にも症状が現れ、ついには全滅に近い被害を被ることが多いということです。
あ! 白点が出ている とお気づきになったあなたはどうしますか。
水温を上げたり、下げたり。病魚を隔離するかも知れませんね。
そしてショップに飛んでいって白点病の治療薬というものを購入して水槽に投入しますよね。
でも白点病は治らず、無事だったはずの他の魚にも徐々に白いものが・・・・・・
全滅へのカウントダウンが始まります。
もう魚など二度と飼わない と悔しい思いをされた方がいかに多いことか。
そうなんです。白点病はまさに 死病 なのです。
経験から申しあげますと、発生してしまった白点病を劇的に治す薬剤などありません。
外用薬の多くは魚体に寄生している状態の白点虫には効果がないからです。
白点虫は魚体から体液を奪うことで成長して、次のステージに変身するためいったん魚体を離れます。
外用薬はこの時点でないと効果を示すことはありません。
また、いかなフコイダンでも発生した白点病の原因である白点虫を殺す力などありません。
極論ですが、白点病は素人が簡単に治せる生やさしい病気ではないのです。
だからこそ発症させない 予防 こそが唯一の対処方法と考えるべきなのです。
白点病の治療薬として売られているのは、ウイルスや細菌よりも大きくて生命力の強い 白点原虫 を殺すための薬剤です。
その薬効の強さは、無事に見えていた他の魚体にもあるいは大きなストレスを与えることになるのかもしれません。
良かれと思って投入した薬剤ですが、まだ寄生を免れている未病の魚の免疫力まで損ねてしまう可能性も否定できません。
当然気づかなければならないことは、白点病の外用薬はあなたの水槽環境をコントロールしている有益な微生物群にも致命的なダメージを与えかねず、その結果として急激な水質悪化を招いてそちらのストレスで症状が悪化する事態も引き起こしかねないということです。
実は観賞魚の病気の本当の原因などというものは分からぬことばかりなのです。
私たちの目に見える様々な症状によって、かなり適当な病名が付けられているようにも感じることがあります。
私たち人間の周りにも原因も治療方法も分からない、いわゆる 難病 と呼ばれる疾病が存在します。
特にウイルスは変異のスピードが速いため、的確な対処方法が追いつかない場合がほとんどです。
魚の世界で有名なのは ヘルペスウイルス による疾患です。
グッピーヘルペス、金魚ヘルペス、コイヘルペス等々様々なヘルペス疾患が知られています。
コイヘルペスに至ってはいまだに治療方法が確立できず、生産地からコイを移動させてはならないというやむを得ない規制が現在も続いています。
その結果コイの養殖業者は補助金で何とか生きながらえていますが、生産者からコイを購入していた各地の問屋さんの多くは廃業の憂き目に遭いました。
コイの流通が途絶えたことで、コイを食べるという食文化そのものも消えかかっています。
規制が解除されても、出荷先が激減してしまった現状を考えると、食用のコイを作るという産業を復活させることはかなり難しいかもしれません。
コイに関わる、一次(作る)、二次(流通させる)、三次(食品として提供する)の産業すべてがウイルスによって破壊されてしまったのです。
白点虫の存在意義とは何なのでしょうか。神様がお作りになった生き物であるからには生態系の中で何か役割分担があるはずです。
白点虫は自然界にも無数に棲息していて、命の尽きかけた魚体に寄生します。
物質循環の概念からすれば、死に行く生命体を分解回収することが白点虫の生き様、存在意義なのかもしれません。
繰り返しますが、フコイダンが多くのウイルスを絡め取って不活化することはすでに公的研究機関が解明・公表しています。
飼育水に投入されたフコイダンは水槽内の様々なウイルスを種類を問わずことごとく絡め取ります。
病原性のあるものも、そうでないものも全てのウイルスがターゲットです。
その結果、少なくともウイルスによって引き起こされる魚体の変調は抑えられるのです。
様々な病気の出発点と思われるウイルスによる微妙な体調不良がなければ、次に起きるであろう二次感染、三次感染の多くも抑制される可能性が高まります。
白点病が何番目の病気になるのかは分かりませんが、他の病気による体表粘液の劣化さえなければ、白点虫は魚体にとりつくことはできないのです。
フコイダンはワクチンより強力
様々な魚病の出発点であるウイルス病の対策として、ワクチン開発などを待つ必要はありません。
なぜならフコイダンは全てのウイルスを十把一絡げに捉えてしまう極めてアナログな存在だからです。
また現実問題として観賞魚用のワクチンを製薬会社が開発することなど絶対にありません。
市場規模から考えて開発費を回収できないからです。
一般論としても、市販されている魚病薬は他の動物用の薬剤を希釈して流用しているものが大部分です。
それも同じ理由からです。
私たちは、かなりお寒い状況の中で、魚病に対処しているのだという実態を知っておく必要があります。
白点病の治療薬として売られているものも説得力がなく、真に受けるには怖さを感じます。
もう一度フコイダンが白点病の発生を防ぐメカニズムを整理してみましょう。
◎ フコイダンは水中の様々なウイルスを不活化する。
◎ フコイダンを投入した水槽では白点病が起こりにくい。
この2つをどのように結びつければ良いのか想像力をフル稼働させてみます。
1 両者を関連づけているのは魚体の体表粘液との関係です。
2 体表粘液は魚が受けるストレスによってしばしば損なわれることがあります。
3 水槽の飼育水には様々な病気の引き金となる多様なウイルスが常に棲息していると思わなければなりません。
さらに自然界に比べてその生息密度ははるかに高いと思われます。
4 フコイダンは全てのウイルスを不活化し、ウイルスによるわずかな異変をも抑制します。
5 ウイルス起源のストレスが軽減されれば、体表粘液が損なわれる可能性も低くなります。
6 体表粘液が健全でさえあれば白点虫は魚体に寄生することができず、白点病が発症することはかなりの確率を持って抑制されるはずです。
白点病は自然界の摂理としても発現します。
病気と言うよりも、死に行く魚体を自然に帰す物質循環の一環で、単なる食物連鎖のようにも思えます。
それは死期を間近に控えた魚体が被るもので、水槽内での魚病としての振る舞いとは微妙な隔たりを感じます。
水槽は自然の水域に比べて圧倒的に水量が少ないですよね。
白点虫にとっては寄生するターゲットに巡り会える機会が格段に多いと思われます。
一方、水槽内で飼育されること自体が魚たちには大きなストレスとなっているはずで、その多くがもともと自然界から採集されてきた海水魚たちにしてみれば、相応に免疫力が低下していると想像すべきです。
私たちが管理する水槽という空間は、白点虫にとって願ったり叶ったりの夢のような世界なのかも知れません。
黙っていても 白点病になりやすい環境 で私たちは魚を飼っているのです。
私たちは水槽管理者の最低限のつとめとして、魚たちの感じているストレスを少しでも軽減するように、可能な限りの創意工夫をすべきでしょう。
フコイダンの投入がその一役を担うことになったら嬉しいなと販売者としては願うのですが、皆さんはいかがお考えになりますか。
フコイダンの効能について私の勝手な妄想を書き連ねましたが、どうぞ皆様のご見解もお知らせ下さい。
少しでも広範な理解や活用方法を確立できれば多くの皆様のお役に立てると思います。