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光合成細菌(PSB)ってどんな菌

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光合成細菌(PSB)ってどんな菌

光合成細菌(PSB)ってどんな菌

2025/08/22

  光合成細菌(以下PSBと略します)は本来田んぼの土着菌ですが、田んぼに限らず水が溜まっていて有機物があるところなら、どこにでもいます。
PSBが好きなところは明るくて紫外線が強くて酸素が無いところ(嫌気性の菌ですから)。
繁殖適正温度は25~35℃、pH6~9(アルカリ性には強いが酸性には弱い)

 光のエネルギーを使って、メルカプタン、酪酸などの有機酸、脂肪酸、炭酸ガス、硫化水素などを餌にして炭素を同化してアミノ酸を合成します。
また空気中の窒素を固定して窒素化合物に作り替えます。
硫化水素や有害な有機酸を無害化するため、田んぼのガス湧き対策に使われることもあり、イネの収穫を助けます。

 

 

PSBはおおまかに3種類のグループに分けられます。

1 紅色非硫黄細菌 (できたてPSBはこのグループの菌で構成されています)
 有機酸を食べるが、硫化水素も食べる。          
酸素があっても増殖できるため私たちでも培養しやすい。
2 紅色硫黄細菌
 硫化水素をよく食べるが、酸素があるとほとんど増えない。
3 緑色硫黄細菌
 緑色の光合成細菌。硫化水素をよく食べる。酸素があるとまったく増えない。
培養がとても難しい。日本動物薬品が販売している「たね水」が該当します。

 

1,2,3の順番で培養が難しくなります。

 

 

他の菌との共生でパワーアップします

  PSBは単独でいるよりも他の菌と共生した方が力を発揮します。
 枯草菌(バチルス菌の一種)や納豆菌と共生すると、有機酸やエネルギー(ATP)をやりとりしながら大気中の窒素を固定します(窒素肥料を作り出します)。

つまりPSBを耕作地に撒くと、PSBの体内成分だけでなく、新たに窒素肥料を投入したと同様の効果が得られるのです。

中でも堆肥などに良くいるバチルス・メガテリウムと共存したときの窒素固定力が一番高いとされています。

乳酸菌と共生しても窒素固定の力はアップします。
酵母菌や納豆菌と共生すると酸素があっても増殖します。

 

 紅色硫黄細菌は酸素があると増殖や窒素固定ができませんが、近くに酵母菌がいると増殖します。

酵母の周りは酸素が消費されて嫌気状態になるためだと言われています。

このときのPSBはボヤっとした紫色になります。

PSBの色は赤味が濃い方が良いと思われがちですが、効果と色との因果関係はありません。

また納豆菌の場合は体の周りに粘物質を出して嫌気状態を作るので、そこでも増殖ができます。

 

放線菌を増やします。


 PSBは畑にまくとすぐに死んでしまいますが、彼らの死骸をエサに 放線菌 が良く増殖し、作物に病気を引き起こす悪玉菌のフザリウムを抑制します。

PSBは死んでも役に立つのです。

 インドでは伝承医療の一つとしてPSBをワインで割ったものを飲む慣習があるそうです。
命に関わるような病気になり、他に手段がなければ人間はわらにもすがる思いでかなりの無理をするのかも知れません。             
あなたは光合成細菌を飲む勇気がありますか?
 

 

光合成細菌(PSB)の効用

 

 PSBを池や水槽に入れるとなぜか様々な良い結果が起こります。それはなぜでしょう?

 PSBは自然界では田んぼや下水、ドブや肥溜めなどに棲んでいます。

彼等の餌は有機物、特に有機酸、脂肪酸、硫化水素など悪臭物質として私たちからは嫌われるものが多いです。
 PSB自身が臭いのに臭いものが好きなのかと不思議に思われるかも知れませんが、PSBの培養液が発するあのすさまじい悪臭は、実はPSBが出しているのではなく、PSBと一緒に増えた他の雑菌群が作り出したものだということを知っておいてください。
PSBは決して臭い菌ではありません。

 

 私たちが悪臭と感じるものの多くは、水中で生活する様々な生物にとってもあまり歓迎されることのない厄介者に分類されます。
ところがこれらの物質はPSBにとってはどうやら願ってもないご馳走のようなのです。

神様はこの辺の食物循環をとても上手に考えてくれているようです。

 陸上でも豚舎や鶏舎のように近隣から悪臭の苦情が絶えない施設においては、PSBの菌液を直接散布したり、飲み水に混ぜたりして用いると、明らかに悪臭対策の効果が上がることからコストパフォーマンスの良い悪臭対策としてPSBは重宝されているようです。
またこれからの世の中において必須とされる環境保全の分野においてもPSBの活用方法が解明され、様々な現場に導入され始めています。

 

 

水槽に入れると何が起こるのか

 

 皆様も良くご存じのように、水槽の中には硝化菌と呼ばれる微生物が棲んでいて、飼育生物が排泄する猛毒のアンモニアを亜硝酸を経て比較的毒性の低い硝酸に作り替えてくれます。

水槽の平穏は硝化菌によってもたらされているといっても過言ではありません。
 硝化菌は水槽内のあらゆる場所にいるのですが、最も高密度に生息し、効率よく働いてくれる場所が濾過槽で、底砂も濾過槽に劣らぬ浄化空間として機能します。

濾過システムがなくても適度な水流が底砂の表面をなでていれば、硝化機能は維持されると考えられます。

なぜなら自然界には濾過槽のような硝化菌専用の特殊なエリアなど存在しないからです。

 底砂には硝化菌以外の様々な微生物も棲み着き、硝化の前段の有機物分解から最終工程である脱窒までかなり多彩な生物反応が繰り広げられる貴重な場所と考えられます。

 

 

PSBはアンモニアを食べるのか?                  

 

 弊社で販売している 粉末タイプのふやしてPSB には原材料の一つとして塩化アンモニウムが入っています。
それはPSBの培養に際してアンモニアが重要な餌の一つだからです。

もちろん塩化アンモニウムが入っていなくてもPSBを増やす餌を作ることはできるのですが、培養対象とするPSBの種類の多くがアンモニアを好んで取り込むことが知られていますので、より多様なPSBを増やすためには欠かせない餌の一つとして調合しています。

 

PSBは硝化菌の代わりになるのか?

 

 PSBがアンモニアを食べる事は間違いないのですが、その量とPSBの菌体数との相関関係がありますので、単純に硝化菌の代役が務まるというような結論は出せません。
本来ならば硝化菌の一つである アンモニア酸化細菌 が一手に引き受けていたアンモニアの分解のお手伝いもできるくらいに考えておけば良いのではないでしょうか。
PSBを入れればアンモニア酸化細菌は不要と考えるのは少々飛躍しすぎです。

 何かの事情でアンモニア酸化細菌の活動が鈍って、通常は起こりえない飼育水へのアンモニアの増加が認められるような緊急事態には、硝化細菌の復活を待つ間、助っ人としてPSBに働いてもらうという程度の期待であれば問題はないと思います。

 同様に水槽立ち上げ時の熟成期間中にはアンモニア酸化細菌がまだ十分に増えておらずアンモニア濃度の高い危険な時期がしばらく続きますので、そんな時にPSBにお手伝いを願うのも良いでしょう。

 

 

バクテリアについて思うこと

 

 バクテリアの体は何でできていると思いますか?
バクテリアも生き物であるからには 蛋白質 ということになります。
蛋白質の基本的な構成成分は C、H、O、N の4つの元素です。
4つ並べれば チョン と読めます。覚えておいて下さい。
どのように優れたバクテリアも死ねばこれらの4つの元素に分解されます。
多くの場合、死んだバクテリアは水槽内の他のバクテリアの餌となり、彼等の体を構成する材料として再利用されることになります。
特に N 窒素 は蛋白質に欠かせない必須な成分ですから、食物連鎖の物質循環の中ではやがて他の生物の 体の材料 として使い回されることになります。

 

 近年人間の健康の7割以上は腸内細菌が関与していることが解明されています。
腸内環境を良好に保てば、私たちの健康の多くは保証されるようなのです。
実は腸内細菌の大部分は 土壌細菌 の末裔で、水や食べ物と一緒に口から体内に取り込まれます。
水槽内に棲む多くの微生物群もその出所をたどれば空気中から水槽に飛び込んだ土壌細菌と言わざるを得ません。そのルーツといい働きぶりといい、水槽内の微生物の世界は腸内細菌とどこか通じるものを感じませんか?

 

 

 PSBの活躍の場所はどこにある?

 

 PSBは他の土壌細菌と時には共生関係を築くことがあることは前述しました。

放線菌
放線菌

また共生をすると単独生活よりもはるかに効率の良い生産活動をすることも知られています。
 またPSBの死骸は土壌細菌の中の 放線菌 の餌となって彼等の数を増やすことも解明されています。

放線菌は耕作地内の病原菌をコントロールし、植物の病気を防ぐ働きをしてくれます。

放線菌が増えると草花や作物は病気になりにくくなるのです。

つまりPSBを耕作地に撒くと、PSBの体内成分が肥料として取り込まれるばかりでなく、放線菌の餌となる二次的な効果として作物が健康に育ち収穫量が増えるのです。

 

 

 昔から 労咳や肺病 の名で日本では不治の病と恐れられていた肺結核 の特効薬として戦後の日本人の平均寿命を延ばしたのは、 ストレプトマイシン という抗生物質でした。

これは放線菌の一種である ストレプトコッカス という菌株から作り出されたものです。
 また私たちの腸内細菌の中で有名な ビフィズス菌 という名前をご存じの方は多いと思います。

ビフィズス菌が増えると腸内環境は改善されます。

私たちの健康とビフィズス菌の生息密度には大きな因果関係があるようなので、皆さんも一生懸命ビフィズス菌を増やそうと努力をされていますよね。
実はビフィズス菌も放線菌の親戚のような仲間として分類されています。

 

 もし水槽の中に放線菌やビフィズス菌のような存在があるとしたら、それは水槽環境の維持や飼育生物の健康と密接な関係を持っているような気がします。
 PSBは自らの新陳代謝によって水槽の環境改善に貢献することもさることながら、死してなお彼等の菌体内の成分が、水槽内で有益な働きをしてくれる他の微生物群の増殖や活性と因果関係を持っていることが想像されます。
それこそが水槽にPSBを投入することの意義なのではないかと考えることがあります。
 

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